『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』とは?|どんな映画?
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』は、SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」シリーズの第2作目(物語上は5番目)として1980年に公開された作品です。
ジャンルとしてはスペースオペラに分類され、宇宙を舞台に善と悪の勢力がぶつかり合う壮大な物語が描かれます。前作『新たなる希望』で芽生えた希望に対し、本作では帝国軍の猛攻が強まり、登場人物たちが苦境に立たされる“中盤の山場”的な位置づけの作品です。
一言で表すならば、「絶望と成長を描いた、シリーズ屈指のドラマティックな傑作」。
映像技術の進化や大胆な展開、象徴的なセリフ(例:「I am your father」)が多くのファンを魅了し、今なお“シリーズ最高傑作”と評されることも多い伝説的な一本です。
基本情報|制作・キャスト/受賞歴・公開情報
タイトル(原題) | The Empire Strikes Back |
---|---|
タイトル(邦題) | スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲 |
公開年 | 1980年 |
国 | アメリカ |
監 督 | アーヴィン・カーシュナー |
脚 本 | ローレンス・カスダン、リー・ブラケット、ジョージ・ルーカス(原案) |
出 演 | マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、アンソニー・ダニエルズ |
制作会社 | ルーカスフィルム、20世紀フォックス(配給) |
受賞歴 | アカデミー賞視覚効果賞・音響賞(特別業績賞)、サターン賞(作品賞、監督賞ほか) |
あらすじ(ネタバレなし)
銀河帝国の脅威が強まるなか、反乱同盟軍は秘密基地を氷の惑星ホスに築き、次なる戦いへの備えを進めていた。そこに現れるのは、冷酷な帝国軍の指導者ダース・ベイダー。
ルーク・スカイウォーカーは、フォースの力をより深く理解するために旅立ち、未知の地で“真の師”と出会うことになる。一方、ハン・ソロやレイア姫たちは帝国の追跡を逃れながら、宇宙を舞台に緊迫の逃避行を繰り広げていく。
果たして、仲間たちはこの逆境をどう乗り越えるのか? そして、ルークの運命を揺るがす衝撃の真実とは…?
スケール感あふれるアクションと心理的な葛藤が交差する本作は、「スター・ウォーズ」シリーズの中でも特に濃密なドラマが展開される一本です。
予告編で感じる世界観
※以下はYouTubeによる予告編です。
独自評価・分析
ストーリー
(4.0点)
映像/音楽
(4.5点)
キャラクター/演技
(4.5点)
メッセージ性
(3.5点)
構成/テンポ
(4.0点)
総合評価
(4.1点)
シリーズ中でも屈指の重厚な展開を見せる本作は、キャラクターの成長や葛藤を深く掘り下げるストーリーテリングが秀逸です。ストーリー面ではやや唐突な展開もあるため満点は回避しましたが、視覚効果と音楽の完成度は当時としては異次元レベル。
俳優陣の演技、特にハリソン・フォードとマーク・ハミルの内面描写には深みがあり、演出の力量が光ります。メッセージ性については“善と悪の対立”という王道ながらやや抽象的で、若干の物足りなさも。
テンポはシーンによって緩急が激しく、全体としては丁寧な構成ながら緊迫感を損なう箇所も一部見られました。とはいえ、シリーズの礎を築いた作品としての存在感と完成度は非常に高く、厳しめに見ても4.1点という高評価に値します。
3つの魅力ポイント
- 1 – ダークで緊迫した展開
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『新たなる希望』に続く物語として、本作は物語のトーンを大きくシリアスな方向へと転換させています。特にダース・ベイダーの存在感が増し、逃れられない“暗黒面”の影が全体を覆います。ヒーローの苦悩や試練が濃く描かれることで、観る者に緊張感と深みをもたらします。
- 2 – 映像表現と特撮技術の進化
-
1980年公開とは思えないミニチュア撮影やビジュアルエフェクトの数々は、映画技術の進化を示す象徴ともいえます。氷の惑星ホスでの戦いや宇宙空間のドッグファイト、ヨーダの造形や動きのリアリティなど、当時としては革新的な映像表現が随所に盛り込まれています。
- 3 – シリーズ屈指の“あの展開”
-
本作を語るうえで欠かせないのが、ルークとダース・ベイダーに関する衝撃の事実が明かされる名シーンです。観客の予想を裏切る大胆な展開は、映画史に残るどんでん返しとして世界中の記憶に刻まれています。このサプライズが作品全体に強烈な印象を与え、シリーズの奥行きをさらに深めています。
主な登場人物と演者の魅力
- ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)
-
若きジェダイ候補生として修行と戦いに身を投じるルーク。今作では精神的な成長や苦悩が大きく描かれ、シリーズの中でも重要な転機となる役どころです。マーク・ハミルは前作以上に繊細な内面を表現し、光と闇の間で揺れる主人公の葛藤をリアルに演じています。
- ハン・ソロ(ハリソン・フォード)
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自由奔放な密輸業者でありながら、仲間を思う熱さを秘めた存在。ハリソン・フォードの飄々とした演技とカリスマ性がキャラクターに説得力を与えており、本作ではレイアとの関係性も見どころのひとつ。彼の存在が物語にユーモアと人間味を加えています。
- ダース・ベイダー(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ)
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圧倒的な威圧感と神秘性をまとった暗黒卿。今回の物語では彼の存在感がさらに増し、まさに“帝国の象徴”として君臨します。声を担当するジェームズ・アール・ジョーンズの重厚な低音が、キャラクターの威厳を一層際立たせています。台詞まわしひとつで恐怖を与える名演です。
- レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)
-
反乱軍のリーダーでありながら、繊細さと強さを併せ持つレイア。キャリー・フィッシャーの芯のある演技は、ただの“ヒロイン”にとどまらない存在感を放っています。戦いと愛に揺れる彼女の姿は、物語に大きな感情的深みをもたらします。
視聴者の声・印象













こんな人におすすめ
逆に避けたほうがよい人の特徴
テンポが早く爽快なアクションを求める人には物足りなく感じるかもしれません。
前作を観ていないとキャラクターや状況の理解が難しい部分があります。
映像が古く感じられるクラシック映画に抵抗がある人には不向きです。
哲学的な深掘りや複雑な心理描写を期待しすぎると拍子抜けするかもしれません。
社会的なテーマや背景との関係
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』は一見すると単なる宇宙戦争の物語に見えますが、背景には現実の政治体制や社会構造に対する風刺や暗喩が多く込められています。
たとえば「帝国」という支配体制は、全体主義や独裁国家の象徴として機能しており、その抑圧に立ち向かう反乱軍の姿は、当時の冷戦時代における自由と支配の対立構造を想起させます。反乱軍は規模こそ小さいものの、多様な価値観や人種、性別を内包する存在として描かれており、これは多様性と個人の尊厳の尊重という現代にも通じる価値観を体現しています。
また、本作に登場するヨーダの教えやルークの修行過程は、東洋的な哲学や精神論を取り入れており、物語の中に「内なる敵との戦い」「自己との対話」といった心理的・精神的成長のテーマが埋め込まれています。この要素は、1970〜80年代のアメリカにおける東洋思想ブームやスピリチュアリズムの流行ともリンクしています。
さらに、本作が公開された1980年という時代は、ベトナム戦争終結から数年が経ち、アメリカ社会が自らの正義やアイデンティティを問い直す時期でした。その空気感が、「ヒーロー像の揺らぎ」や「一筋縄ではいかない善悪の境界」というテーマに反映されているとも解釈できます。
このように『帝国の逆襲』は、ただのエンタメ作品にとどまらず、社会的・精神的な視点からも多層的な読み解きが可能な映画と言えるでしょう。
映像表現・刺激的なシーンの影響
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』は、1980年公開という時代にありながら非常に高水準の映像表現と演出が施されています。氷の惑星ホスやクラウド・シティなど、舞台設定ごとに異なる雰囲気を映像で巧みに演出し、視覚的に飽きさせない工夫が随所に見られます。
特筆すべきは、ミニチュアモデルやマットペイントといったアナログ技術の精密さです。戦闘シーンではAT-AT(ウォーカー)やXウイング、ミレニアム・ファルコンが滑らかに動き回り、当時のVFXの粋を集めた演出が施されています。CG全盛の現代でもなお、“本物感”のある質感が評価されており、リアルな手触りを感じる映像美が魅力です。
音響面では、ジョン・ウィリアムズによる壮大なスコアが物語の緩急に寄り添い、ドラマティックな効果を高めています。ライトセーバーの音、ベイダーの呼吸音など、“音”による記憶の定着力もこの作品の特徴のひとつです。
刺激的な描写という点では、直接的な暴力や流血表現は控えめながら、一部シーンでは強い心理的インパクトを伴う演出があります。特に、ダース・ベイダーとの対決シーンやヨーダとの修行中に現れる幻影は、幼い視聴者にとってはやや恐怖感を覚える可能性もあります。
また、シリーズとしては比較的ダークなトーンが支配しており、軽快な冒険活劇を期待していると予想外に感じるかもしれません。視聴時には「物語の中間点としての重み」や「キャラクターたちの精神的成長」が描かれることを意識しておくと、より深く作品を味わえるでしょう。
全体として、『帝国の逆襲』の映像・音響表現は技術的にも芸術的にも高く評価されており、シリーズを通しても映像体験として最も完成度の高い一本とされています。
関連作品(前作・原作・メディア展開など)
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』は、「スター・ウォーズ」シリーズの“旧三部作”と呼ばれる物語の中間作に位置付けられています。シリーズの構成上、エピソード番号は5番目ですが、実際の公開順では第2作目にあたります。
前作にあたるのは『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年)。こちらはルーク・スカイウォーカーがフォースの存在を知り、反乱軍に加わる物語が描かれており、本作との直接的なつながりがあります。
観る順番としては、「エピソード4 → エピソード5 → エピソード6(ジェダイの帰還)」という公開順での視聴が最も自然で理解しやすく、多くのファンにも推奨されています。時系列順(エピソード1から)で観る方法もありますが、本作の最大の衝撃展開を初見で体験するなら公開順がベストです。
なお、本作はオリジナル脚本に基づく完全オリジナル作品であり、小説や漫画といった原作は存在しません。ただし、映画公開後にノベライズやコミカライズが多数展開されており、特にルーカスフィルム公認の「レジェンズ」シリーズ(旧EU)や「カノン(正史)」と呼ばれる書籍群は、物語をさらに広げる補完資料として人気があります。
また、TVアニメ『クローン・ウォーズ』や『レジスタンス』、実写ドラマ『マンダロリアン』などのスピンオフ作品も続々と登場しており、登場キャラクターや世界観の深掘りが行われています。これらのメディア展開はディズニーによるフランチャイズ化以降、ますます広がりを見せており、「帝国の逆襲」以降の時代や背景を知るうえでも有益な補完コンテンツとなっています。
シリーズ
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類似作品やジャンルの比較
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』は、スペースオペラというジャンルに属し、壮大な世界観とヒューマンドラマが融合した作品です。同様の魅力を持つ映画として、以下のような作品が挙げられます。
『2001年宇宙の旅』(1968年)は、より哲学的で抽象的なテーマを扱うSF映画の金字塔です。映像表現やスケール感では共通する部分がある一方で、物語のテンポや語り口は大きく異なり、より難解な印象を与えます。
『エイリアン』(1979年)は、同時期に公開されたSF映画として比較されることが多い作品です。ホラー要素が強く、宇宙空間の閉塞感やサスペンス性が強調されており、スペースオペラというよりはスリラーに近い位置づけです。
『銀河鉄道999』(1979年)や『宇宙からのメッセージ』(1978年)は、日本の作品として『スター・ウォーズ』の影響を受けた代表例です。特に『宇宙からのメッセージ』は公開時期も近く、東映による“日本版スター・ウォーズ”として話題を呼びました。
また、近年の作品では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)が“ノリ”の軽さやビジュアルの派手さという点で共通点がありますが、コミカルな要素が強く、ダークで重厚な『帝国の逆襲』とはやや対照的です。
このように、『帝国の逆襲』が持つ「宇宙を舞台にした人間ドラマ」という軸は、多くの作品に影響を与えており、SFジャンルの発展に大きく貢献したことが分かります。
続編情報
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』には、明確な続編が存在します。それが『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)です。物語は本作のラストから直接的に繋がっており、反乱軍と帝国軍の最終決戦が描かれます。
さらにその後も「スター・ウォーズ」シリーズは長期にわたり展開されており、特にディズニーによるフランチャイズ化以降は続編・スピンオフ作品の制作が活発化しています。
■ 続編のタイトル・公開時期
・『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年公開)
・『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』(2015年公開)
・『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』(2017年公開)
・『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』(2019年公開)
■ 制作体制・監督・キャスト
・『ジェダイの帰還』:監督はリチャード・マーカンド、脚本はローレンス・カスダンら。マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーらが続投。
・ディズニー三部作では、J.J.エイブラムス、ライアン・ジョンソンが監督を務め、主演はデイジー・リドリー、アダム・ドライバーら新キャストが中心。
■ プリクエル・スピンオフなど
・プリクエルとして『エピソード1~3』(1999~2005年)、スピンオフ映画『ローグ・ワン』『ハン・ソロ』なども制作。
・さらに実写ドラマとして『マンダロリアン』『アソーカ』『キャシアン・アンドー』などがDisney+で配信中。
■ 今後の構想と展開
・2027年5月には新作映画の公開が予定されており、ポスト・スカイウォーカー時代の新たな物語が展開される見通し。
・加えて、アニメシリーズ『ビジョンズ』の第3弾が2025年10月に配信予定で、旧作の補完的な役割も期待されています。
このように、『帝国の逆襲』の続編・関連作は多数存在し、映画史における重要なシリーズ作品として今なお発展を続けています。
まとめ|本作が投げかける問いと余韻
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』は、「善と悪」「選択と運命」「成長と葛藤」といったテーマを、壮大なスケールの中に詰め込んだ深みのある作品です。単なるスペースアドベンチャーにとどまらず、人間の内面にある“揺らぎ”や“迷い”を描き出す点が、観る者に強い余韻を残します。
特に本作は“中間作”というポジションゆえに、物語に完全な決着はつかず、多くの謎や不安を抱えたまま幕を閉じます。この未完の感覚こそが、物語の重みを倍増させ、「この先どうなるのか?」という問いを観客の中に深く刻みつけます。
衝撃の展開が明かされたあと、ルークの揺れる表情、レイアの静かな眼差し、ベイダーの背中に浮かぶ孤独感。それらの断片が、まるで余韻のように観る者の心に残り、物語の“その先”を想像せずにはいられません。
また、ヨーダの教えやフォースの捉え方など、物語の背後に流れる精神的な問いかけも印象的です。「人はどこまで運命を変えられるのか」「本当の敵は外にあるのか、内にあるのか」。そうした問いは、銀河の物語でありながら、どこか私たち自身の生き方にも通じるものがあります。
本作はエンターテインメントとしての完成度はもちろん、視聴後に“語りたくなる”“考えたくなる”深さを備えており、映画というメディアの可能性を改めて感じさせてくれる作品です。
『帝国の逆襲』は、ただ続編への橋渡しではなく、それ自体がひとつの問いとして成立している。そんな作品だからこそ、今なお語り継がれ、愛され続けているのでしょう。
ネタバレ注意!本作の考察(開くと見れます)
OPEN
『帝国の逆襲』における最も衝撃的な展開といえば、やはり「I am your father」の告白でしょう。この一言が物語の構造を根底から覆すことで、それまでの勧善懲悪の枠組みが一気に揺らぎ、父と子という私的な関係が銀河規模の戦いに重ね合わされます。
この展開は、ただのサプライズ以上に、「敵=悪とは限らない」という価値観の転換を示しており、“正義の相対性”という深いテーマを内包しています。ルークの迷いや葛藤は、「選ばれし者」の神話的構造を壊し、より現代的で内省的なヒーロー像を描き出しています。
また、ヨーダの教えの中にある「フォースのバランス」も注目すべきポイントです。一見するとライトサイドとダークサイドは対立するもののようでいて、実は両者は表裏一体であり、どちらかを否定するのではなく共存を学ぶことが重要であるという思想が垣間見えます。
ダゴバでの幻影のシーン(ルークがダース・ベイダーの仮面を斬ると中に自分の顔がある)は、その象徴的な表現の一つです。これは「外敵に勝つ前に、まず己の闇と向き合わねばならない」という、人間の内面を描いたスピリチュアルなメッセージとして読み解くこともできます。
加えて、クラウド・シティという“美しいが裏切りに満ちた場所”の舞台設定も印象的です。視覚的には最も開放的な空間であるにも関わらず、物語の中で最も閉ざされ、失われるものが多いシーンが繰り広げられます。これは「見かけの明るさと内実の暗さ」というコントラストの演出でもあり、本作の映像表現と物語テーマの一致性を感じさせます。
総じて、『帝国の逆襲』は“戦い”を描きつつも、本質的には「自分は何者なのか」「信じるものは何か」という問いを観客に投げかける作品です。その答えは結末では提示されず、むしろ観終わったあとにこそ深く考えさせられる、余白のある考察型の作品だといえるでしょう。
ネタバレ注意!猫たちの会話(開くと見れます)
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