『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』とは?|どんな映画?
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、壮大な銀河戦争を描く「スター・ウォーズ」シリーズの第8作目であり、スカイウォーカー・サーガの中心に位置する一作です。SF(サイエンス・フィクション)とファンタジーが融合したスペースオペラとして、ジェダイとシスの戦い、銀河を揺るがす運命、そして“フォース”を巡る葛藤を描いています。
前作『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』で登場した新たな主人公レイが、伝説のジェダイ・ルーク・スカイウォーカーと出会い、自身の力と向き合っていく姿が物語の核。ドラマ性とアクションが絶妙に絡み合い、“善と悪”、“希望と絶望”の対比が深く掘り下げられた、シリーズの中でも特に重厚な雰囲気を持つ作品です。
一言で言うならば、「新世代と旧世代の意志が交差する、“フォース”の価値を問い直すエモーショナルな戦記」。
基本情報|制作・キャスト/受賞歴・公開情報
タイトル(原題) | Star Wars: The Last Jedi |
---|---|
タイトル(邦題) | スター・ウォーズ/最後のジェダイ |
公開年 | 2017年 |
国 | アメリカ |
監 督 | ライアン・ジョンソン |
脚 本 | ライアン・ジョンソン |
出 演 | デイジー・リドリー、マーク・ハミル、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ、キャリー・フィッシャー |
制作会社 | ルーカスフィルム、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ |
受賞歴 | 第90回アカデミー賞 4部門ノミネート(作曲、美術、音響編集、録音) |
あらすじ(ネタバレなし)
銀河に再び暗雲が立ちこめる中、反乱軍はファースト・オーダーの執拗な追撃により、絶体絶命の危機に瀕していた。そんな中、新たなヒロインとして覚醒したレイは、孤島に身を隠す伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを訪ね、自身の運命と“フォース”の力に向き合おうとする。
一方、ファースト・オーダーのリーダー格であるカイロ・レンは、内なる葛藤を抱えながらも、祖父ダース・ベイダーの意志を継ごうと動き出す。
果たしてレイはルークから何を学び、そして銀河の未来はどう動いていくのか――。
シリーズの転換点ともいえる本作は、“希望”と“継承”の物語を、壮大なスケールとともに描き出していく。
予告編で感じる世界観
※以下はYouTubeによる予告編です。
独自評価・分析
ストーリー
(3.0点)
映像/音楽
(4.5点)
キャラクター/演技
(3.5点)
メッセージ性
(3.5点)
構成/テンポ
(3.0点)
総合評価
(3.5点)
『最後のジェダイ』はビジュアルや音楽面では非常に高く評価されるべき作品で、特に宇宙空間の演出やサウンドスケープの美しさはシリーズ屈指です。しかしストーリーの一部展開やテンポにおいては賛否が分かれ、キャラクターの描写についても従来のファンから批判的な声が見られました。革新的な挑戦は評価される一方で、従来の“スター・ウォーズらしさ”を逸脱したと感じる視聴者も多く、シリーズ全体のバランスから見ると、やや評価を下げざるを得ませんでした。総合評価としては「高品質ながらも評価の割れる中堅作」という位置づけです。
3つの魅力ポイント
- 1 – 圧倒的な映像美と演出
-
宇宙空間での戦闘や“フォース”の視覚化、色彩設計など、映像面での完成度はシリーズ随一とも言えるレベル。特に“ハイパースペース突入”の演出は、音を排した大胆な表現で観客に衝撃を与え、多くの映画ファンに記憶されている名場面のひとつ。
- 2 – 価値観を揺さぶるメッセージ
-
「ジェダイとは何か」「ヒーローとは何か」といった既存の価値観を問い直すテーマが物語に深みを与えている。従来の善悪の二元論を超え、灰色の領域に踏み込む構成は、多くのシリーズファンにとって新鮮かつ挑戦的な試みだった。
- 3 – 新世代と旧世代の対比
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ルークやレイアといったレジェンドと、レイやカイロ・レンといった新キャラクターたちがぶつかり合う構図が、シリーズの“世代交代”を象徴する。新旧の信念や苦悩が交錯することで、物語に複層的なドラマが生まれている。
主な登場人物と演者の魅力
- レイ(デイジー・リドリー)
-
無名の出自ながら強い“フォース”の資質を持つヒロイン。今作では、自己の内面と“力”の意味に葛藤しながら、ルークとの出会いを通じて成長していく姿が描かれる。演じるデイジー・リドリーは、純粋さと力強さを併せ持つ演技で、シリーズの新たな顔として鮮烈な存在感を放っている。
- カイロ・レン(アダム・ドライバー)
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ダース・ベイダーを理想とするファースト・オーダーの戦士でありながら、内なる葛藤に揺れる複雑な人物。アダム・ドライバーの繊細で激しさを秘めた演技が、キャラクターの二面性に深みを与え、観る者に強烈な印象を残す。
- ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)
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かつて銀河を救った伝説のジェダイ。今作では隠遁者として登場し、過去の過ちと向き合う姿が描かれる。マーク・ハミルは静かな重厚さと苦悩を見事に体現し、長年のファンにも新たな一面を見せる演技で応えた。
- レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)
-
反乱軍のリーダーとして冷静かつ力強い指揮を執る存在。キャリー・フィッシャーにとって遺作ともなった今作では、威厳と温かさを持ち合わせたリーダー像を確立し、深い感慨を呼び起こす演技を残した。
視聴者の声・印象













こんな人におすすめ
逆に避けたほうがよい人の特徴
シリーズの王道展開や勧善懲悪なストーリーを期待している人
テンポの速い展開や爽快感を重視する人
旧三部作のキャラクター像を崩されたくないと感じる保守的なファン
感情の揺れや哲学的なテーマに興味がない人
シリーズ未見で予備知識が全くないまま楽しみたい人
社会的なテーマや背景との関係
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、表面上はSFの銀河戦争を描いているものの、そこに込められたメッセージは現代社会の構造や価値観の揺らぎとも深くリンクしています。
まず注目すべきは、「善と悪」「正義と悪」といった単純な対立構造をあえて崩している点です。かつてのシリーズでは明快だった二項対立が、本作では揺らぎを見せ、「正義とは誰が定義するのか」「その信念は本当に正しいのか」といった問いが投げかけられます。これは、現代における情報の多様化や価値観の多元化に対する比喩ともとれ、誰もが“絶対的な正しさ”を信じにくい時代の象徴です。
また、ファースト・オーダーとレジスタンスという構図は、権力の集中と市民運動の対立を描いた政治的なメタファーとしても読み取ることができます。支配と反抗というテーマは古典的ではありますが、本作ではそれに対する“継承”や“希望の再定義”が加わることで、より現代的な含意を帯びています。
レイという無名の存在が“選ばれし者”として覚醒するプロセスには、格差社会における個人の自立や、既存のヒエラルキーへの挑戦といった側面も垣間見えます。血筋や伝統ではなく、自らの選択によって未来を切り拓く彼女の姿は、多くの若者にとって現代的なヒロイン像として響くものがあるでしょう。
さらに、旧世代の象徴であるルークが“失敗”や“挫折”を抱えながら次世代にバトンを渡そうとする姿は、社会のリーダー層が過去の過ちと向き合いながら若者に道を託していくという、極めて普遍的かつ現実的な構図としても読めます。
このように本作は、エンタメ作品としての側面を持ちながらも、現実社会の矛盾や価値観の再構築といったテーマを巧みに織り込んだ物語でもあるのです。
映像表現・刺激的なシーンの影響
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、シリーズの中でも特に視覚的・聴覚的な演出に力が入った作品として評価されています。ライアン・ジョンソン監督の独自性が色濃く反映された映像設計は、従来の『スター・ウォーズ』に新風を吹き込む一因となりました。
象徴的なシーンのひとつが、静寂と閃光を駆使した“ハイパースペース特攻”の描写です。この場面ではあえてBGMや効果音を排し、音のない真空の衝撃を表現することで、観客に強烈な印象と余韻を残す演出が行われています。シネマにおける“音の使い方”を再考させるほどの挑戦的なシーンであり、鑑賞者によっては鳥肌が立つような没入感を味わえるでしょう。
色彩面でも赤と白のコントラストを活かした惑星クレイトでの戦闘シーンや、フォースの精神世界的な描写など、抽象的かつ芸術的な要素が随所に見られます。従来の実用的な宇宙戦闘とは異なる、詩的なビジュアルを目指した意図が感じられます。
一方で、暴力的な描写については一定のアクションシーンがあるものの、過激すぎる表現は抑えられており、全年齢層に配慮された構成になっています。ライトセーバー戦や戦闘シーンには迫力がありますが、血飛沫やグロテスクな映像はほとんど登場しません。小中学生でも安心して観ることができる内容です。
ただし、ストーリー上で精神的な葛藤や“絶望”を感じさせる描写は比較的多く含まれており、感情的な揺さぶりに弱い視聴者にはやや重く感じられる可能性もあります。特にレイやルークが内面と対峙する場面では、哲学的なテーマや陰影の強い演出が続くため、エンタメ性だけを期待して観るとやや戸惑うかもしれません。
総じて、本作は単なるスペースファンタジーにとどまらず、映像芸術としての挑戦と深みのある心理描写を融合させた作品です。その映像表現は、感覚的なインパクトと精神的な余韻の両方を観る者に与えるでしょう。
関連作品(前作・原作・メディア展開など)
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、「スカイウォーカー・サーガ」三部作の第2作にあたります。三部作は以下の順で構成されており、物語をより深く理解するには順を追って鑑賞することが推奨されます。
- 第1作:『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』(2015年)
- 第2作:『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』(2017年)※本作
- 第3作:『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』(2019年)
この“続三部作”は、ルーカスフィルムがディズニー傘下となった後に制作されたもので、従来の作品群とはやや異なるトーンとテーマ性を持っています。新キャラクターを中心に据えつつ、旧世代との関係性や継承が描かれる点が特徴です。
また、スター・ウォーズシリーズは映画にとどまらず、アニメ・ドラマ・小説・コミックなど多様なメディア展開がされています。中でも以下の作品は、本作と世界観を共有しており、補完的な理解が深まります:
- 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』:反乱軍の起源を描くスピンオフ映画。
- 『オビ=ワン・ケノービ』:Disney+で配信されたドラマシリーズ。
- 『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』:アナキンやオビ=ワンを中心にした長編アニメシリーズ。
- 『スター・ウォーズ 反乱者たち』『バッド・バッチ』など:銀河帝国期やレジスタンス形成期を描くアニメ作品。
原作という意味では、本シリーズはジョージ・ルーカスによるオリジナル脚本に端を発する独自作品であり、小説やコミック版はあくまでスピンオフや後付けの補足です。そのため、本作自体に“原作”と呼べる明確な出典は存在せず、映画を基軸としたメディア構造になっています。
初見の方には、最低でも『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』を観た上で本作に臨むことをおすすめします。そうすることでキャラクターの背景や銀河の状況が格段に理解しやすくなります。
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類似作品やジャンルの比較
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、スペースオペラやSFアクションのジャンルに位置づけられ、壮大なスケールと人間ドラマが融合した作品です。同様のテーマや世界観を持つ映画として、以下の作品が挙げられます。
- 『インターステラー』:宇宙を舞台にした人間ドラマ。科学考証の緻密さと家族愛を重視した構成で、本作よりもリアル寄りのSF。
- 『2001年宇宙の旅』:抽象的かつ哲学的なSF映画の金字塔。フォースや精神世界を扱うシーンと通じる静けさと映像美が特徴。
- 『インデペンデンス・デイ』:エンタメ色が強い宇宙戦争映画。スピード感と爽快さを求める人にはこちらが向いている。
- 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』:同シリーズ内でもシリアスな戦争ドラマに寄ったスピンオフ。倫理観や犠牲の重みが主軸。
- 『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』:子ども向けながらも“反乱”や“希望”を描いた物語。シンプルな構成でテーマが共有されている。
これらの作品はいずれも、宇宙という舞台を通して人間の信念や希望を描く点で『最後のジェダイ』と共鳴します。一方で、アクション主体、哲学的な静けさ、家族愛の比重など、各作品ごとのアプローチや演出手法には大きな違いがあります。
「スター・ウォーズの人間ドラマに惹かれたなら『インターステラー』や『ローグ・ワン』、エンタメ性を求めるなら『インデペンデンス・デイ』」といった形で、視聴者の志向に応じた選び方ができるでしょう。
続編情報
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年)の直接的な続編としては、2019年に公開された『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』が存在します。これによりスカイウォーカー・サーガの三部作が完結した形となりますが、物語はここで終わりではありません。
現在、ルーカスフィルムおよびディズニーは新たなスター・ウォーズ作品群の制作を進めており、以下のような“ポスト・スカイウォーカー時代”における続編・スピンオフ計画が明らかになっています。
- 『The Mandalorian & Grogu』(2026年5月22日全米公開予定):人気ドラマ『マンダロリアン』の劇場版。時系列は『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』以前だが、銀河情勢の補足作品。
- レイ(デイジー・リドリー)を主人公とした新作映画:『最後のジェダイ』から約15年後を舞台に、新たなジェダイ・オーダーを築こうとするレイの物語が展開される予定。監督はシャーメーン・オバイド=チノイ。
- “ドーン・オブ・ジェダイ”:ジェームズ・マンゴールド監督によるジェダイ誕生の物語。時系列的にはシリーズ最古となるプリクエル。
- デイヴ・フィローニ監督による劇場作品:『マンダロリアン』『ボバ・フェット』『アソーカ』などを統合するクロスオーバー的な大作になる予定。
また、Disney+ではアニメや実写のスピンオフ作品が継続的に展開されており、『オビ=ワン』『アソーカ』『クローン・ウォーズ』などを含むスター・ウォーズユニバースが拡大し続けています。さらに2026年以降に複数の映画プロジェクトが公開予定であり、『最後のジェダイ』以降の世界観は、今後さらに広がっていく見込みです。
総じて、レイたち新世代の物語は明確な「続編」として再構築されつつあり、従来のファンにも新たな視点を提供する展開が期待されています。
まとめ|本作が投げかける問いと余韻
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、シリーズを長年追い続けてきたファンにとっても、初めて観る観客にとっても「スター・ウォーズとは何か」を根本から問い直すような挑戦的な一作です。フォースの定義、ジェダイの在り方、ヒーロー像の再構築、そして過去との向き合い方など、多くのテーマが重層的に語られています。
特に印象的なのは、従来の“血統”や“運命”といったスター・ウォーズの文法を壊し、「名もなき存在が未来を切り開く可能性」を提示した点です。これはまさに現代に生きる私たちへの「あなた自身の意志で選び取ることの尊さ」というメッセージであり、作品を観終えた後にも深い余韻として残ります。
また、善と悪の明快な二項対立ではなく、あえてその“あいだ”を描いたことで、「正しさとは何か?」「信じるべきものは何か?」という倫理的な問いを観客に投げかけてきます。その問いに対する明確な答えは示されておらず、だからこそ観終えたあとに自分自身の価値観や人生観を振り返る契機となるのです。
一方で、ファンの中には「らしくない」と感じた人もいたかもしれません。伝統を重んじる者にとっては大胆すぎる変化だったかもしれませんが、それこそが本作の狙いであり、新時代への扉でもありました。旧世代の英雄が退き、新たな世代が葛藤しながらも進んでいく様は、現実の世界とも重なります。
総じて『最後のジェダイ』は、単なるSF映画でも続編でもなく、物語の“継承”と“進化”という二つのテーマを同時に内包した意欲作です。その問いかけの余韻は、銀河の彼方よりもむしろ、私たち一人ひとりの心の中に長く残り続けることでしょう。
ネタバレ注意!本作の考察(開くと見れます)
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『最後のジェダイ』では、多くの伏線と裏テーマが語られています。特に象徴的なのは、ルーク・スカイウォーカーが「伝説」から「人間」へと変化する過程です。彼が隠遁生活を送っていた理由や、フォースに対する距離の取り方は、ジェダイという存在そのものの危うさを示唆しているようにも受け取れます。
本作の核心にあるのは、「フォースは誰のものか?」という問いでしょう。ルークが語るように、フォースは特定の血筋に属するものではなく、宇宙に遍在するエネルギーです。この視点は、フォースを“支配”してきた旧ジェダイ秩序の問題点を浮き彫りにし、新たな価値観を提示しています。
また、カイロ・レンとレイの「フォースの絆(フォース・ダイアド)」という描写は、本作の中でも最もミステリアスな要素の一つです。二人が物理的距離を超えて感情を共有し、互いの視点にアクセスする構造は、二元論を超えた存在としての“対”の概念を象徴しています。これは「光と闇」のような単純な対立ではなく、「共存と対話」を促すテーマとしても読めます。
ラストに描かれる、名もなき少年がフォースを使ってほうきを手に取るシーンも重要です。これは「物語は特別な者だけのものではない」という作品全体のメッセージを象徴するものであり、レイやルークの“英雄譚”を一般市民の未来へと引き継ぐ希望の暗示でもあります。
その一方で、スノークの最期やルークの最終行動については多くの議論を呼びました。あえて説明を省き、余白を残す構成は、人によっては物足りなさを感じる部分でもありますが、逆にその“曖昧さ”こそが物語の奥行きを生んでいます。
本作は、シリーズの中でも最も「考察の余地」が多い作品の一つであり、観るたびに新しい発見がある構造になっています。正解のない問いと、その余韻を楽しむことこそが、『最後のジェダイ』の醍醐味と言えるでしょう。
ネタバレ注意!猫たちの会話(開くと見れます)
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